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こだわりの日本語
こんにちは。都タクシーブログ担当のノロです。
辞書の写真がアップででてきましたが、今日は日本語の話です。
つばめグループには、「接遇の言葉」たるものがありまして、
お客様にご乗車いただいたら、必ず「ありがとうございます」とご挨拶しなさいと
乗務員には毎日指導をしています。
(もちろん、接遇の言葉は、他にもいろいろなものがありますよ)
それでですね、だいたいの管理職は、「ありがとうございますと言いなさい」と指導します。
私は、それが間違っているとは思いませんが、いつも「足りないな」と思うのです。
「ありがとう」とは「有難う」と漢字で書き、めったにおこらないことに対する感謝の意を表します。
なので、私は「お客様がこうしてご乗車いただくことは、奇跡のようなものですから、それに対して感謝するんですよ」と
乗務員に指導したことがあります。
……まあ、あまり、ピンときていないようでしたが。
日本語というか、言葉というものは面白いもので、間違った使い方をしていると
だんだん間違ったものが正しくなっていってしまいます。
なので、たとえば、「接遇の言葉」といいますが、
「接遇」と「接客」は全く違いますし、「サービス」に至ってはこれ、全く違う言葉なのですよ。
「お嬢ちゃん、可愛いからお菓子をサービスしとくよ」
日本語で言うサービスは、「タダ」の意味合いが強く、我々サービス業はこれにずっと悩まされています。
なので、そこを気を付けて指導したほうが良いですよと、管理職にも言ってますが、なかなか難しいようです。
そしてそして、私が最近、ものすごく気になっている言葉が「こだわり」という言葉です。
最近、「こだわりの日本酒」とか、「こだわりの料理」とか、よく聞きませんか?
私はこれが気持ち悪いのです。
「こだわり」は、漢字で書くと「拘り」と書き、これは「自由を奪う、拘束する」という意味で、決して良い意味ではありません。
また「拘泥る」と書くこともあり、拘泥というのは、「固執する、とらわれる」という意味になります。
「こだわる」という言葉は、もともとはネガティブな言葉で、「ケチをつける」というのが本来の意味なのです。
「ちいさなことにこだわるな!」って使い方いまでもしますよね?
ですが、最近では「こだわる」という言葉はポジティブな言葉へと変化しています。
わたしの言う気持ち悪いというのは、こういうところです。
サービス業のかたが、「こだわりの接客」なんて使い方をしてるのをみると、
「クレーマーか?」
と考えてしまうわけです。
ひらがなで使われている日本語を一度漢字に変換してみる。
そういったことで、本当の日本語の意味が見えてくると思います。